Liaison 〜精神科リエゾン〜
『リエゾン』という言葉を聞いたことはありますか?
連携、橋渡しなどという意味のフランス語ですが、精神科リエゾンでは他科との連携を意味します。
身体疾患の治療のため入院中に、せん妄や不眠、抑うつなどの精神症状を認めることは多々あります。その際に精神科医が他科の主治医の先生と一緒に患者さんを治療するリエゾン診療に、都内の総合病院で私も数年来携わってきました。
元々認知症の患者さん、骨折し手術を受ける方、人工透析の患者さん、肺炎や糖尿病、神経疾患に腫瘍等々・・・
整形外科、内科、外科の先生方と一緒に患者さんを拝見するというのは、一般の精神科診療とはまた少し違って興味深い医療です。
入院加療が必要な身体症状の思わしくない患者さんですので、お薬の選択も投与量もリスクが高く慎重にしないといけません。とはいえ、せん妄で危険な行動をしてしまうと看護師さん方も付きっきりで目が離せず医療体制に影響をきたします。
入院中の日々の様子の変化を、看護師さんや主治医の先生からの情報を元に評価しつつ、薬の調整がうまくいくと、患者さまもスタッフの皆さんも安心して治療ができるというわけです。(サポートして頂いたことも数知れずですが・・・)
クリニックの診療は基本孤独なので、チームで診療に当たるというリエゾンの診療が楽しく、また、他科の医療の知識も大変勉強になりました。素晴らしい先生方、とっても優しい看護師の皆さまに囲まれて本当に私自身多くを学ばせて頂きました。予期せぬ病状から精神障害を来すことも目の当たりにしたり、通常の薬物治療と大幅に作用が異なったり。
今、他にも学びたいことが見つかり、リエゾンのお仕事は今月で終了です。別れは寂しいですが、コロナが終息した暁には飲み会に呼んでもらう予定です!
これから超高齢化社会となり、入院患者様も認知症の方が更に増えて、精神科リエゾンの必要も高まることでしょう。今後精神科リエゾン医療がもう少し広く知られると良いなと思います。